若桜街道ビブリオバトル・読書会

鳥取市で開催している若桜街道ビブリオバトルと読書会のHP

12月9日 LINEでビブリオバトルの結果

ご無沙汰しています。遅くなりましたが、レポをアップします。


12月9日はLINEでビブリオバトルでした☆
テーマ:贈りたい本
今回はWチャンプでした!
「プーさんの鼻」俵万智
「文豪お墓まいり記」山崎ナオコーラ
チャンプ本から紹介します。

「プーさんの鼻」俵万智
歌人俵万智が、妊娠中から出産、育児の期間に作った短歌が収められています。命の尊さにあふれ、子供を産んだことのない私でも心に沁みる歌が多く、経験のある人なら共感するのではないでしょうか。子供を見つめながら、人生、そして自然や地球の未来にまで思いを馳せ、小さなものから大きなものへと視点が移っていく感性が素敵です。日常の何気ない一瞬を捉えながら、軽やかで、時にずしっと心に響く歌集です。
妹が出産した時に贈った本です。どのページからでも読めるので、育児に疲れた時などにふっと手に取ってくれれば、一瞬でも心の支えになる時があれば、という気持ちで贈りました。

「文豪お墓まいり記」山崎ナオコーラ
表紙は永井荷風谷崎潤一郎だそう。谷崎が先輩である荷風終戦の前日にすき焼きでもてなした場面。昔の文豪には会えないけど、お墓には行ける。現代の作家山崎さんが、昔の作家のお墓参りに出かけて、作品のこと、お墓の様子、周辺グルメのこと、自分のことを綴っています。文學界という本の連載をまとめたもの。
1人の作家につき7ページほどなのでスイスイ読めます。お墓の場所、作家の簡単な経歴も載っています。
贈り物は後づけですが、ボーっと読めると思います。

「死ぬまでに行きたい海」岸本佐知子(翻訳家)
「文芸誌 MONKEY」にて2013年〜2020年の7年間の連載、22篇のエッセイ。「この世に生きたすべての人の、言語化もされない、本人すら忘れてしまっているような些細な記憶。_どこかの誰かがさっき食べたフライドポテトが美味しかったことも、道端で見た花をきれいだと思ったことも、ぜんぶ宇宙のどこかに保存されていてほしい」私だったり誰かだったり、すべての人の、ちょっとした会話のやりとりとか、ささやかな出来事や想い。そういったものが、残っていてほしいという備忘録のようなエッセイ。
贈りたい人は、自分や皆さん、多くの方々に。特に今年はコロナ禍で人と会って話すことも大分減ったので。

「Presents」角田光代   絵:松尾たいこ
女性が生涯にもらうプレゼントの数々をテーマにした短篇集。登場人物は、それぞれいろんな年代の女子・女性、女。「名前」、「ランドセル」、「初キス」、「鍋セット」、「うに煎餅」など合計12編収録。例えば、「名前」。人が命や愛情のほかに初めて与えられるものが、名前だ。インスピレーションというものは、こんな風に急に訪れるものかもしれない。恋のように、名前は降ってくる。愛のように、さりげなくいつもそばにいる。
モノじゃなくても、くれた人がいるからプレゼントなんだなあって思いました。

「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」福島正伸著 
私は仕事が面白くないなぁとかつまらないなぁって思う時に思い出す話があります。それは、この本の駐車場での管理人さんのお話です。定年退社し、家から近くにあるという理由で、駐車場の管理人の仕事を始めたおじさん。雨の日に困っている人がいたら傘を貸してあげて、満車になったら入り口で申し訳なさそうに頭を下げて謝っているおじさん。他の管理人さんはしないし、しかも給料は変わらないのに。そして、そのおじさんが退社される最後の日。駐車場にはおじさんに感謝を伝える人であふれていました。
贈りたい人は、仕事が面白くないと感じた自分へ。

「肩をすくめるアトラス」アイン・ランド 著 脇坂あゆみ 訳 
著者アイン・ランドは1905年ロシア帝国生まれ ロシア革命を経て渡米、1957年に出版します。出版されてから50年以上後の2009年に50万部売れた本。主役はフランシスコ・ダンコニアとハンク・リアーデンの男女二人、共に経営者で成功目指して努力しますが様々な人・企業・国から制裁や規制を受けるというビジネス小説+ロマンス小説です。とにかく分厚く1270ページあります。
人に贈りたい理由は眠れない人にむけて、あまりにも長いので途中で眠気を催すのと眠りにつくときの枕に丁度いいのではと思ったからです。


『モロカイ島の日々』山崎美弥子 文・絵
東京出身の画家である著者が忙しい東京から導かれるようにハワイに旅をし、偶然その旅で出会った男性と結婚しモロカイ島に住み、自分たちで家を整え、2人の女の子を授かります。2人目が生まれて上の女の子が9歳になるまでの回想録。出会ったハワイの人々のことを綴り、挿絵も著者の絵。絵筆で絵の具をキャンバスに少しずつ重ねておいていくように綴られた独特の言葉が美しい。海のような 朝焼けのような美しい色の著者の絵たちは、未来を描いているそうです。
この本はコロナの現実を忘れてのんびり南の島に旅したような気持ちになりたい方へ☆