若桜街道ビブリオバトル・読書会

鳥取市で開催している若桜街道ビブリオバトルと読書会のHP

2021年1月13日 LINEでビブリオバトルの結果

今年最初のLINEでビブリオバトルは、1月13日に開催しました。
テーマは「かみ」でした。

今回はトリプルチャンプでした。
「壜の中の手記」ジェラルド・カーシュ西崎憲訳 
光抱く友よ」髙樹のぶ子 
「三つ編み」レティシア・コロンバニ

ではチャンプ本から紹介します。順番は発表順です。
「壜の中の手記」ジェラルド・カーシュ西崎憲
イギリス人作家、ジェラルド・カーシュ(1911-1968)による短篇集。パン屋、レスラー、ナイトクラブの用心棒、新聞記者など変わった経歴の持ち主。本作は奇想とユーモアに満ちた傑作選と評されています。この本のなかで、表題になっている「壜の中の手記」について紹介。アンブローズ・ビアス(1842-)というアメリカの作家が1913年12月を最後に消息を絶ったという、このアメリカ文学史上最大の謎を題材に取り、不気味なファンタジーを作り上げました。わくわくぞわぞわする素材が随所に出てきて、面白い作品。


光抱く友よ」髙樹のぶ子 
著者は1946年山口生まれ、1984年にこの作品を発表。女子高生の主人公はこれまで親が言われるままに生きてきましたが、高校になり色々考えるようになります。そんなとき同じクラスの女性と秘密を共有することで知り合いになります。彼女は留年してたり、授業に出なかったり、米兵と付き合ってるとか、良くない噂がたえませんが主人公は彼女に惹かれます。 主人公は最後に彼女の母親に彼女の秘密を漏らしてしまいます。それを知った彼女は怒ることなく、哀れみをもよおすように主人公を赦します。


「三つ編み」レティシア・コロンバニ
主人公は3人の女性。1人はインドの貧しい村で、最下層の身分で人権さえない暮らしのスミカ。1人はイタリアで父の毛髪加工の作業場を手伝うジュリア。そして1人はカナダで有能な弁護士として働くシングルマザーのサラ。全く境遇の違う3人のストーリーが交互に語られ、それぞれの状況で苦難に突き当たります。絶望しながらも立ち上がり、運命と闘おうとする女性たちの姿が胸に響きます。やがて、住む場所も生活も全く違う3人は、髪を通してつながっていきます。著者による脚本・監督の映画化決定!


「鏡」鏡発行所(東京)
 最新の第三十八号、俳句の同人誌。なんと新年早々、俳人佐藤文香(さとう あやか)さんより、SNSの先着プレゼントでもらったそう。他にも前述の同人誌2冊や「逢瀬逢引」という吟行(俳句をつくりながら旅や散歩をすること)を体験する八景、さらに特別にポストカードまで、素敵な「紙」のものを頂戴しました。好きになった句の一つは
「ビデオ通話に初冬の日のうすみどり」
です。


「9人産んじゃいました!」こばやしひさこ、イラスト:すぎやまえみこ
4男5女の子のお母さんであり、助産師として活躍している著者によるエッセイ。絵も豊富な漫画エッセイで、読みやすい。こんなに子だくさんだけど、意外や計画的に出産。著者の1人目は58時間もかかって超難産で大変だったのに、9人目の出産でなんと「悟り」の境地に!
「陣痛は身体の奥底から みなぎってくる心地よいエネルギー そこに苦痛はありません
赤ちゃんの持つ力 自分の持つ力を信じ それはそれは幸せな出産でした」とのこと。安産の神かもしれない。


読書の参考になれば幸いです^ ^