急に申し訳ございません。
4月14日(日)の若桜街道ビブリオバトルですが、主催者の親族の不幸により、急遽中止します。
楽しみにしてくださっていた皆さま申し訳ございません。
また近いうちに開催しますので、よろしくお願いいたします。
3月3日は、LINEでビブリオバトルでした☆
テーマは「生」。
今回も読み応えのある本が集まりました!その中で圧倒的に勝利を収めた
チュンプは
「ひとりでしにたい」カレー沢薫
でした。
おめでとうございます!
チャンプ本から紹介します。
「ひとりでしにたい」カレー沢薫
マンガ。主人公の女性は35歳の学芸員。マンションを購入し猫と暮らしています。ある日、かつてキャリアウーマンだった叔母が70歳でいわゆる孤独死をします(バスタブで保温中のままスープに)。死は誰にもやがてきて、結婚や子供に関わらず自分の問題だと実感します。そしてちゃんと死ぬために、終活を知り、しっかり生きようとする話です。重い話のようでギャグあり、ラブらしきものもあり、出てくる名言も刺さります。
「生きるとか死ぬとか父親とか」ジェーン・スー
母を亡くし約20年、著書は40代中盤で独身、父は80歳。一時は絶縁寸前まで行った父娘_父のこと母のこと、知らないことも多くある、今、聞いておかなければ後悔する_その思いから生まれたエッセイが文庫化、そして今春にドラマ化されます。娘と父の会話だけでなく、知人や親戚とのやり取りの中で初めて知ることも。照れ臭いけど、私も改めて家族と話すように心がけるきっかけになりました。
「生きものは円柱形」本川達雄
私たちの指も手足も胴も、丸くて細長い。木の幹や枝、根も。生物には円柱形の部分があふれています。もちろん幾何学の定義通りの円柱形の生物は存在しないのです。ちょっとアバウトに眺めるからこそ、円柱形という、生物が示す共通性が見えてきます。目に見える形から入り
、生物がどういう材料でできているか、生物の体を形作っている構造の話、動物が動くための話、生物における時間の話など、生物学の入門書。
「わけあって絶滅しました。」丸山貴史 著、今泉忠明 監修
古くはカンブリア紀から、最近では数十年前まで 生息していた様々な生き物について、基本データと絶滅理由が一種につき見開き2ページで紹介されています。 絶滅理由を見ていると、何が災いして何が幸いするのかわからないなと思うものもあります。厳しい生存競争を逃れて独自の生きる道を見つけたのに、その先にも困難が…なんて切なくなってしまいます。太古から連綿と続く生き物たちのドラマです。
読書の参考になれば幸いです。
今年最初のLINEでビブリオバトルは、1月13日に開催しました。
テーマは「かみ」でした。
今回はトリプルチャンプでした。
「壜の中の手記」ジェラルド・カーシュ著 西崎憲訳
「光抱く友よ」髙樹のぶ子
「三つ編み」レティシア・コロンバニ
ではチャンプ本から紹介します。順番は発表順です。
「壜の中の手記」ジェラルド・カーシュ著 西崎憲訳
イギリス人作家、ジェラルド・カーシュ(1911-1968)による短篇集。パン屋、レスラー、ナイトクラブの用心棒、新聞記者など変わった経歴の持ち主。本作は奇想とユーモアに満ちた傑作選と評されています。この本のなかで、表題になっている「壜の中の手記」について紹介。アンブローズ・ビアス(1842-)というアメリカの作家が1913年12月を最後に消息を絶ったという、このアメリカ文学史上最大の謎を題材に取り、不気味なファンタジーを作り上げました。わくわくぞわぞわする素材が随所に出てきて、面白い作品。
「光抱く友よ」髙樹のぶ子
著者は1946年山口生まれ、1984年にこの作品を発表。女子高生の主人公はこれまで親が言われるままに生きてきましたが、高校になり色々考えるようになります。そんなとき同じクラスの女性と秘密を共有することで知り合いになります。彼女は留年してたり、授業に出なかったり、米兵と付き合ってるとか、良くない噂がたえませんが主人公は彼女に惹かれます。 主人公は最後に彼女の母親に彼女の秘密を漏らしてしまいます。それを知った彼女は怒ることなく、哀れみをもよおすように主人公を赦します。
「三つ編み」レティシア・コロンバニ
主人公は3人の女性。1人はインドの貧しい村で、最下層の身分で人権さえない暮らしのスミカ。1人はイタリアで父の毛髪加工の作業場を手伝うジュリア。そして1人はカナダで有能な弁護士として働くシングルマザーのサラ。全く境遇の違う3人のストーリーが交互に語られ、それぞれの状況で苦難に突き当たります。絶望しながらも立ち上がり、運命と闘おうとする女性たちの姿が胸に響きます。やがて、住む場所も生活も全く違う3人は、髪を通してつながっていきます。著者による脚本・監督の映画化決定!
「鏡」鏡発行所(東京)
最新の第三十八号、俳句の同人誌。なんと新年早々、俳人の佐藤文香(さとう あやか)さんより、SNSの先着プレゼントでもらったそう。他にも前述の同人誌2冊や「逢瀬逢引」という吟行(俳句をつくりながら旅や散歩をすること)を体験する八景、さらに特別にポストカードまで、素敵な「紙」のものを頂戴しました。好きになった句の一つは
「ビデオ通話に初冬の日のうすみどり」
です。
「9人産んじゃいました!」こばやしひさこ、イラスト:すぎやまえみこ
4男5女の子のお母さんであり、助産師として活躍している著者によるエッセイ。絵も豊富な漫画エッセイで、読みやすい。こんなに子だくさんだけど、意外や計画的に出産。著者の1人目は58時間もかかって超難産で大変だったのに、9人目の出産でなんと「悟り」の境地に!
「陣痛は身体の奥底から みなぎってくる心地よいエネルギー そこに苦痛はありません
赤ちゃんの持つ力 自分の持つ力を信じ それはそれは幸せな出産でした」とのこと。安産の神かもしれない。
読書の参考になれば幸いです^ ^
ご無沙汰しています。遅くなりましたが、レポをアップします。
12月9日はLINEでビブリオバトルでした☆
テーマ:贈りたい本
今回はWチャンプでした!
「プーさんの鼻」俵万智
「文豪お墓まいり記」山崎ナオコーラ
チャンプ本から紹介します。
「プーさんの鼻」俵万智
歌人の俵万智が、妊娠中から出産、育児の期間に作った短歌が収められています。命の尊さにあふれ、子供を産んだことのない私でも心に沁みる歌が多く、経験のある人なら共感するのではないでしょうか。子供を見つめながら、人生、そして自然や地球の未来にまで思いを馳せ、小さなものから大きなものへと視点が移っていく感性が素敵です。日常の何気ない一瞬を捉えながら、軽やかで、時にずしっと心に響く歌集です。
妹が出産した時に贈った本です。どのページからでも読めるので、育児に疲れた時などにふっと手に取ってくれれば、一瞬でも心の支えになる時があれば、という気持ちで贈りました。
「文豪お墓まいり記」山崎ナオコーラ
表紙は永井荷風と谷崎潤一郎だそう。谷崎が先輩である荷風を終戦の前日にすき焼きでもてなした場面。昔の文豪には会えないけど、お墓には行ける。現代の作家山崎さんが、昔の作家のお墓参りに出かけて、作品のこと、お墓の様子、周辺グルメのこと、自分のことを綴っています。文學界という本の連載をまとめたもの。
1人の作家につき7ページほどなのでスイスイ読めます。お墓の場所、作家の簡単な経歴も載っています。
贈り物は後づけですが、ボーっと読めると思います。
「死ぬまでに行きたい海」岸本佐知子(翻訳家)
「文芸誌 MONKEY」にて2013年〜2020年の7年間の連載、22篇のエッセイ。「この世に生きたすべての人の、言語化もされない、本人すら忘れてしまっているような些細な記憶。_どこかの誰かがさっき食べたフライドポテトが美味しかったことも、道端で見た花をきれいだと思ったことも、ぜんぶ宇宙のどこかに保存されていてほしい」私だったり誰かだったり、すべての人の、ちょっとした会話のやりとりとか、ささやかな出来事や想い。そういったものが、残っていてほしいという備忘録のようなエッセイ。
贈りたい人は、自分や皆さん、多くの方々に。特に今年はコロナ禍で人と会って話すことも大分減ったので。
「Presents」角田光代 絵:松尾たいこ
女性が生涯にもらうプレゼントの数々をテーマにした短篇集。登場人物は、それぞれいろんな年代の女子・女性、女。「名前」、「ランドセル」、「初キス」、「鍋セット」、「うに煎餅」など合計12編収録。例えば、「名前」。人が命や愛情のほかに初めて与えられるものが、名前だ。インスピレーションというものは、こんな風に急に訪れるものかもしれない。恋のように、名前は降ってくる。愛のように、さりげなくいつもそばにいる。
モノじゃなくても、くれた人がいるからプレゼントなんだなあって思いました。
「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」福島正伸著
私は仕事が面白くないなぁとかつまらないなぁって思う時に思い出す話があります。それは、この本の駐車場での管理人さんのお話です。定年退社し、家から近くにあるという理由で、駐車場の管理人の仕事を始めたおじさん。雨の日に困っている人がいたら傘を貸してあげて、満車になったら入り口で申し訳なさそうに頭を下げて謝っているおじさん。他の管理人さんはしないし、しかも給料は変わらないのに。そして、そのおじさんが退社される最後の日。駐車場にはおじさんに感謝を伝える人であふれていました。
贈りたい人は、仕事が面白くないと感じた自分へ。
「肩をすくめるアトラス」アイン・ランド 著 脇坂あゆみ 訳
著者アイン・ランドは1905年ロシア帝国生まれ ロシア革命を経て渡米、1957年に出版します。出版されてから50年以上後の2009年に50万部売れた本。主役はフランシスコ・ダンコニアとハンク・リアーデンの男女二人、共に経営者で成功目指して努力しますが様々な人・企業・国から制裁や規制を受けるというビジネス小説+ロマンス小説です。とにかく分厚く1270ページあります。
人に贈りたい理由は眠れない人にむけて、あまりにも長いので途中で眠気を催すのと眠りにつくときの枕に丁度いいのではと思ったからです。
『モロカイ島の日々』山崎美弥子 文・絵
東京出身の画家である著者が忙しい東京から導かれるようにハワイに旅をし、偶然その旅で出会った男性と結婚しモロカイ島に住み、自分たちで家を整え、2人の女の子を授かります。2人目が生まれて上の女の子が9歳になるまでの回想録。出会ったハワイの人々のことを綴り、挿絵も著者の絵。絵筆で絵の具をキャンバスに少しずつ重ねておいていくように綴られた独特の言葉が美しい。海のような 朝焼けのような美しい色の著者の絵たちは、未来を描いているそうです。
この本はコロナの現実を忘れてのんびり南の島に旅したような気持ちになりたい方へ☆
10月14日はLINEでビブリオバトルでした☆
ご参加いただいた皆さんありがとうございました!
テーマは秋だけに「読書」でした。
チャンプ本は「『罪と罰』を読まない」と「超訳 ニーチェの言葉」のWチャンプでした。
それでは本を紹介します。
「『罪と罰』を読まない」著者 岸本佐知子/三浦しをん/吉田篤弘/吉田浩美
本の仕事に関わる著者4名が、世界的名作『罪と罰(ドストエフスキー)』を「読んでない、知らない」ことを逆手にとって、「どんな物語なのか。話の筋を推測し、作者の意図や登場人物の思いを探り当てる」という実験のような読書会。当日は『罪と罰』の最初と最後のページを翻訳したものを読み、立会人が時折、内容のリークや部分的にテキストの朗読をされて進行。そして読書会後に『罪と罰』を読み終えた4名が座談会を設けて語り合います。
「超訳 ニーチェの言葉」フリードリヒ・ニーチェ 白取春彦編訳
19世紀後半に生きたドイツの哲学者ニーチェ。いわゆる難解で抽象的な事柄を思索して理論を説いた人ではなく、この世における心理、善、道徳こそが大事だと説いた。ニーチェの著作から現代人のためになるものを選別して編纂。
10章からなり、各章には、名言と著作から抜粋した文章が1ページずつあり、全部で232コあります。とても読みやすく、ニーチェの入門書として最適。どこから読んでもいいのも嬉しい!
「きみの存在を意識する」梨屋アリエ
学習能力のうち読むことだけが苦手でなまけているように誤解を受ける子、女にも男にも分けられたくない子や、化学物質過敏症など、見えにくい困難さを抱えた子たちが登場し、連作短編の形で書かれます。それぞれの立場で苦しみながらも、考え、自分や周囲と向き合いながらひたむきに生きる、ヒリヒリするような中学生という年頃を微妙な心理とともに丁寧に描かれています。今年のIBBYオナーリスト(海外に紹介したい児童書として隔年で各国が選出)作品。
読書の参考になれば嬉しいです。
9月23日は、LINEで読書会でした☆ ご参加いただいた皆さんありがとうございました♪
本を紹介します。
「ディス・イズ・ザ・デイ This is the day. 」
津村記久子
物語は日本のプロ・サッカー・リーグで上から2番目の2部(22 チーム)を舞台にした12話の短編。1つの話で2チーム出てきて合計11、加えてエピローグがあります。リーグの1年間を通し、登場人物がチームを応援していく中、モヤモヤしている登場人物の心境が少し前向きになるのが好いです。サッカーに詳しくなくても楽しめます。
「民芸お菓子」福田里香
民藝運動に関係する人々がデザインを手がけたり、プロデュース、命名したお菓子、またまた本人が好物と伝わるものまで、民藝にゆかりのあるお菓子を北海道から沖縄まで88品集めた本。表紙の写真は鳥取の宝月堂の生姜せんべい、しかも裏表紙は、松江の彩雲堂の彩紋と山陰のお菓子です。
この2冊でした♪
読書の際の参考になれば幸いです。