若桜街道ビブリオバトル・読書会

鳥取市で開催している若桜街道ビブリオバトルと読書会のHP

9月9日 LINEでビブリオバトルの結果♪

9月9日はLINEでビブリオバトルでした!ご参加いただいた皆さんありがとうございました。

テーマは「こわい」
チャンプは、
「不安のありか」平島奈津子
「そこにいるのはだれ?」徳田之久  
Wチャンプでした☆

チャンプ本から紹介します!
「不安のありか」平島奈津子 
日常の中に当たり前に存在する不安や恐怖ですが、危険を回避する為に必要なものでもあり、本人を苦しめるものでもあり、そして時には娯楽にもなり得るもの。そんな不安について、精神科医の著者が医学的な見地から健康な不安と病的な不安を解りやすく解説しています。著者が実際に当たった患者さんの治療の過程が紹介。ドラマや映画の場面を例に出すなど取っつきやすい。

「そこにいるのはだれ?」徳田之久  
絵本。主人公はゾウムシ。ある時、ゾウムシが蔓の上を歩いていました。そうしたら、はっぱの向こうに、だれかのひげが見えました。次は、はっぱの穴からだれかがのぞいていました。その次は、足やお腹が見えたと思ったら、消えた!…「いったい、あれはだれだったんだろう?」ゾウムシはまた、歩いて行きました。

「本の読める場所を求めて」阿久津 隆
「ただ読書が楽しい、読書が好き、読書が趣味_」ひとりの読書好きとして自分だったらこんな場所で本を読みたいとの思いから阿久津隆さんがつくられた「心ゆくまで本の読める店 fuzukue」。この本は「本を気持ちよく楽しくうれしく読みたい、それを可能にしてくれる場所はどこかにないか、どうあればそれが実現できるかを考え続けた店主・阿久津さんの実践とドキュメント」です。

異人たちとの夏」山田 太一 
第一回山本周五郎賞受賞作。妻子と別れ、孤独な生活を送る40代のシナリオライター原田は、浅草で子供の頃に死別した父母にそっくりな30代の夫婦に出会う。心安らぐ交流がうまれるが、新しい恋人ケイは強い拒絶反応をしめす。あたたかいのにこわい、ファンタジーなのにリアルという複雑な味わい。ノスタルジックなところもありますが、人物描写は今読んでも瑞々しい。

「死都日本 」石黒耀 
阿蘇が噴火する架空の話。観測所の近くで罹災する九州の大学教授と彼を訪ねてきていた新聞記者を中心に話は進んでいく。政府のプロジェクトは、対策をすすめていたが、噴火は予想より早く起きてしまい、いくつもの近郊都市を直撃。火砕流後 18自治体と連絡つかず40万人死亡と推定、話の最中に1秒に200人死亡していく。24時間生き延びたら救援がくると国は高いところや地下に逃げるように呼びかけるが...

「我が妻との闘争』呉エイジ 
かつて発行されていた雑誌『マックピープル』に連載。1作5ページの小編で、内容はパソコンのMacとHP作成に心奪われる筆者と彼の浪費を苦々しく思う妻の家庭内闘争です。妻にやり込められた筆者が最後に独身者に教訓を残して終わっています。他人から見ると、本場の関西弁こわーいと軽く読み流せる本です。ちなみに筆者はなんだかんだ言いながら現在も続刊が出ているので夫婦関係は続いてるみたい

読書の際の参考になれば幸いです^ ^

8月26日 LINEで読書会のレポ

826日はLINEで読書会でした今日も読みたくなる本が集まりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。それでは、本の紹介です。


「我らコンタクティ」森田るい

会社の飲み会の帰り、カナエは久々に会った小学校の同級生かずきに呼び止められる。待ち伏せされていたカナエはロケットの燃焼実験を見せられ、かずきとロケット打ち上げを目指していく。漫画。ストーリーが進むにつれ、カナエの表情が生き生きとしていくのが素敵だなと思います。


週刊文春 WOMAN vol.6 2020夏号」

4回定期刊行の雑誌。表紙画は香取慎吾。今回の特集は「コロナ禍を生きる」。いろんな記事の中でジェーン・スー×中野信子×磯田道史の座談会が面白かったです。他にも新しい地図3人や内田也哉子養老孟司など豪華で多彩な方が載っています。


OneWorld」喜多川泰

全九話の短編。登場人物は他の短編でも登場します。1話目の「ユニフォーム」は野球少年のお話。彼は試合には出られないBチームの補欠。ある時、Aチームと試合をすることになり、なんと接戦に。頑張っている姿は誰かが見ていて、その人の人生に小さな影響を与えます。


100万分の1回のねこ」

言わずと知れた佐野洋子の有名な絵本から、作家が創作した短編アンソロジー江國香織岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野角田光代谷川俊太郎などなど豪華な作家陣13名。一冊で少しずついろいろ楽しめそうなところが気に入りました。


読書の際の参考になれば幸いです。

8月5日 LINEでビブリオバトルのレポ

8月5日は、LINEでビブリオバトルでした!
テーマは「家族」。今回は珍しく同じ著者から2冊でました。瀬尾まいこさんから始まり、瀬尾まいこさんで終わりました。

そしてチャンプは
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ
雑居時代氷室冴子 
おめでとうございます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

まずチャンプ本から紹介します。
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ
2019年4月「本屋大賞」受賞。先日、文庫本発売。読む前はタイトルから「恐らく主人公の優子が家庭の事情で何か(=バトン)を受け取り、辛さの中に希望を見出す感動的な話」と思っていました。しかし実際は「優子がそれぞれの家族にとても愛され暮らしていく話」でした。「赤の他人同士が家族として気遣い、何とか寄り添い生活していこうとする姿勢」に好感を持ちました。ラストシーン、好かったです。

雑居時代氷室冴子 
啓明高校はじまって以来の才媛と噂に高い、「倉橋さんちの数子さん」が主人公です。彼女は叔父に恋をしていたのですが、彼が結婚します。ショックで出張する知り合いの留守番役をかって出るのですが、なぜか同じクラスの女子と浪人中の男子が転がり込んで3人の雑居生活が始まります。全11話、叔父の結婚相手を蹴落とすべくドタバタが繰り広げられます。家族というくびきから放たれた思春期の3人が、自分の個性を思うがままに発揮する、コワ面白い作品。

「てのひらの京」綿谷りさ 
おっとりした綾香31 歳図書館司書、活発な羽依(うい)22歳会社員、生真面目な凛21歳大学院生
京都に住む三姉妹の生活が描かれています。祇園祭大文字焼き、山鉾などなど京都を象徴するワードが、住人ならではの視点で物語に散りばめられています。家族との関係も細やかに表現されています。また水飴のような鴨川の流れなど、町の表現が美しく、臨場感があります。今年は山鉾も中止だったようですが、本の中で味わうことができました。

「虚ろな十字架 」東野圭吾
中原道正は妻と小学二年生の娘と3人家族。最近、中古住宅も購入して幸せな毎日。そんなある日、娘が強盗殺人事件に巻き込まれます。犯人には死刑が確定します。しかし、道正も小夜子もなぜか納得が行きません。その後、二人は離婚し、妻は雑誌編集のライターの仕事をします。その特集記事の取材途中で通り魔殺人に襲われます。道正は小夜子の取材内容を通して、事件の糸口を追うようになります。犯行はなぜ起きたのか?犯人に対してどんな事を望むのか?

「母と娘はなぜこじれるのか」斎藤環編著
編著者である1961年生まれの精神科医が漫画家や作家、臨床心理士といった方々との2008年に行われた対談をまとめたもの。序章で編著者はまず、母娘の親子関係は母息子、父娘、父息子の親子関係より一段深く複雑であることを説く。母による娘の支配には、いくつか形態があり、代表的なのは「抑圧」「献身」「同一化」だという。気になる角度や切り口がそれぞれ異なるところが面白い。編著者が男性なので、女性に話を聞くことによって、問題が浮き彫りになることがある。

「僕の明日を照らして」瀬尾まいこ
生まれてすぐに父を亡くして以来ずっと、夜は仕事でいない母と二人暮らしだった隼太。中学2年生になって、新しいお父さん(優ちゃん)ができる。優ちゃんは時々隼太を殴る。それでも隼太は優ちゃんに出て行ってほしくない。孤独になるよりは虐待される方がマシ。やがて二人は、一緒に虐待に関する本を読むようになり…。重いテーマを扱いながらも筆致は軽く、メインとして描かれているのは隼太の成長です。心に何かしら抱えて生きる人物たちを、あたたかな視線で描く小説です。

読書の際の参考になれば幸いです。

7月22日 LINEで読書会のレポ

7月22日は、LINEで読書会でした!ご参加いただいた皆様ありがとうございました。参加者が少なくてすぐ終わっちゃうかなと思っていたら、盛り上がり21時過ぎてました。
では、本の紹介です。

感染症は世界史を動かす」岡田晴恵
神戸市外国語大学で行った講義録をもとに書かれた本です。感染症はひとりの人間を救いたいと願ったら、その周囲の人間すべてを助けなければいけない病気。個人主義と相反する側面を持っています。歴史から学んで、これからの感染症にどの様に対応したら良いのか教えてくれます。

「天職」秋元康 鈴木おさむ
もともと官僚になりたかったけど、中学受験で失敗して、アルバイトのつもりで始めた放送作家・作詞家が本業になった秋元康。そして高校生の時に放送作家という仕事をしたいと思って、放送作家になった鈴木おさむ。今や誰もが知っているヒットメーカーのお二人の対談集。

「外は夏」キム・エラン著 古川綾子訳
著者は1980年生まれ、韓国で文学賞を総なめにする実力派。この本は、2017年に韓国で刊行された短篇集で、全篇に共通するテーマは「喪失」。1篇目の「立冬」という作品は、4歳の子を交通事故で亡くした父が主人公。最初は同情していた隣人も次第に離れていって… 

読書の際の参考になれば幸いです。

7月8日 LINEでビブリオバトルのレポ♪

7月8日(水)は、LINEでビブリオバトルでした。
テーマは「夜」。今回は、7冊紹介されたので、いろんな分野の本がら集まりました^ ^

チャンプ本は
「停電の夜に」ジュンパ・ラヒリ
でした!おめでとうございます\(^o^)/

では、チャンプ本から紹介していきます。
「停電の夜に」ジュンパ・ラヒリ著、小川高義
9編の小説からなる短編集。内容は、家族や移民やすれ違いをテーマにしています。全編に共通するのは、登場人物が何らかの形でインド(旧英国領インド、バングラデシュも含む。移民も含む)に関係しているという点。というのも、作者ジュンパ・ラヒリは、生まれはロンドン、育ちはアメリカですが、両親がカルカッタ出身のアメリカ系インド人2世なのです。観察と描写が細やかで、小さなものを集めた重みのある宝物みたいな文体が魅力的でした。


その他の本も紹介します。
「つくも神さん、お茶ください」畠中恵
40歳の時に2001年に「しゃばけ」で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビューした著者によるコラムやエッセイを集めた本。「しゃばけ」は江戸を舞台にした妖怪人情推理小説で、シリーズ化されています。書いてある内容は多岐にわたっています。もちろん「しゃばけ」に関することも。最初の章のこの作家さんが本を読むことについてを比喩を使って書いているのが面白いです。


「ジュリエットのいない夜」鴻上尚史
世界一有名な恋愛の古典「ロミオとジュリエット(以下ロミジュリ)」を基に、演劇を作り上げる過程やビジネス、それらの人間模様を映し出す物語として現代に蘇るビターな小説です。主人公は演出家で、劇団を舞台にした「ロミオとロザライン」とプロデュース公演の「ロミオとオセロー」の2篇。演劇部だった身としては、理に叶う素敵なアイディアを嫉妬故に認められないシーンとか、その矛盾した感情、やるせない、持って行き場のない感情に共感してしまいました。


銀河鉄道の夜宮沢賢治 
母は病気、父は仕事で別居している少年ジョバンニは、学校でいじめられがち。友人のカムパネルラとも距離を感じる。銀河のお祭りの夜、2人は気付くと銀河鉄道に乗って、天の川から星座をめぐる旅に出ていた。2人はどこまでも一緒に行こうと約束するのですが……最初のジョバンニの辛い生活から幻想的な銀河鉄道の場面への劇的な転換。その表現の中には化学的な箇所もあるし、宗教的なものも。美しいけど、常に儚い雰囲気が漂っていて、ラストは希望と喪失のセットです。世の無常を感じるけど、悲しいだけではないと思いました。


「かようびのよる」デヴィッド・ウィーズナー
ある夜、満月が照らす沼、蓮の葉の上で休むカエルたちに不思議な出来事が起こります。蓮の葉が次第に浮き上がり、カエルたちが一斉に空へ…。アメリカの作家ウィーズナーの、いたずら心たっぷりに描かれた絵本です。この絵本、文字はほとんどなく、巧妙な絵の力だけで語ってくれます。人間たちの住む町へ飛んで行って、やりたい放題のカエルたち。シュールな世界観と、カエルたちの人を食ったような表情がたまりません。見返す度に新たな発見があり、クスリと笑わせる仕掛けも随所に仕込ませてあります。


「夜を賭けて」梁 石日 ヤンソギル 
舞台は太平洋戦争後の大阪城周辺、戦争時は広大な軍事工場がありましたが、空襲で焼け野原になりました。戦後は誰も近づかない場所でしたが、軍事工場跡の鉄屑が金になると知った集団「アパッチ族」が集落を作り、鉄を盗む側と守る警察の争いが繰り広げられます。夜に盗みを生業にするしか生きるすべを持たない人たちのエネルギーが作品にちりばめられ、それを押し流すかのように時代は刻々と変わり翻弄されるさまがかかれています。


「夜の谷を行く」桐野夏生 
西田啓子は63歳。アパートで独り年金暮らしで、ジムと図書館通いを楽しみに静かに暮らしていました。ある日、連合赤軍永田洋子のニュースが入ってきます。啓子は永田洋子と一緒に連合赤軍の活動をしていました。姪には結婚式を欠席する理由として、過去を話す事になります。そんな時、昔の仲間達や、連合赤軍を取材するジャーナリストからの突然の連絡により、忘れていた過去が思い出されてきます。静かに暮らしていくはずだったのに…その、驚きの過去とは?


読書の参考になったら、幸いです。

6月24日 LINEで読書会

6月24日(水)は、LINEで読書会でした。
今回は、紹介された本の話だけでなく、いろんな話題がちょこちょこと出て盛り上がりました!

「保健室のアン・ウニョン先生」著:チョン・セラン、訳:斎藤真理子
保健教師と漢文教師が悪いもの退治する娯楽小説。ウニョン先生は見えないものが見える特別な力を使い、BB弾の銃と虹色のオモチャの剣に自分のエネルギーを込めてM校の邪悪な存在を退治。漢文教師のホン・インピョはM校を運営する一族。ウニョンは愛想が無く、インピョは神経質で融通が効かない、ただ2人は「人には親切にしたい」「許せないことは許せない」。10篇の物語を通して韓国の世情も見えて、ウニョンとインピョ、他登場人物も面白いです!


「わかりあえないことから―コミュニケーション能力とは何か」平田オリザ
平田オリザ氏は、現代の子ども・若者が、親や社会がお膳立てすることで「伝わらない」という経験が少ないため、「伝えたい」と思わないという状況に陥っていると診断する。そこで「伝わらない」という状況と作り出すために、自分と価値観やライフスタイルの違う他者と接する機会を作ることが大切。また、その疑似体験のために、演劇を取り入れることが有効だという。文体は多少専門めいて難しそうなんですが、内容は、あー!とピンとくると思います。


「おっしくっらまんじゅう」あかいみほ
福音館書店の月刊予約絵本「こどものとも 0.1.2.」通巻238号。0歳から2歳を対象にした、厚手の絵本です。トマトさんとりんごさんが寒くて、おしくらまんじゅうをして、温まっていくお話。そこへみかんさんとバナナさんも加わって、みんなほっかほか。最初、青いトマトさんと青リンゴさんが、だんだん赤くなっていく発想が面白いなぁって思いました。絵もあったかい感じでステキです。


「感染列島」涌井学
2010年10月、フィリピン北部で発生した感染症。村人の症状は喀血、下痢、嘔吐、出血。
2011年1月、東京の市立病院を受診した若い夫婦。発熱はあるもののインフルエンザ検査は陰性。松岡剛は心配はないと診断。ところが夫はその後急変して… パンデミックを起こす新型感染症に命がけで向き合う行動が感動します。感染症を拡大させるのも、収束させるのも人。どんな過酷な状況でも、希望を持つ事が大切と教えてくれる一冊です。

読書の参考になったら、幸いです。

6月10日 LINEでビブリオバトル☆レポ

6月10日(水)はLINEでビブリオバトルでした!
テーマは「あめ」
梅雨から、テーマを「あめ」になったので、まさか当日に梅雨入りするとは思わずびっくりでした。

今回はWチャンプでした!
「死神の精度」伊坂幸太郎 
「海へ、山へ、森へ、町へ」小川糸
おめでとうございます☆


まずチャンプ本から紹介を
「死神の精度」伊坂幸太郎 
雨男の死神が主人公。彼の仕事は人の死を見定める事で、1週間前に調査対象の人間に接触し、その死が妥当かどうかを判断し、「可」と報告すれば8日目に死が実行されます。連作短編の形で、毎回対象となる人物を変えながら、6編の物語で構成されています。人間ドラマがしっかり描かれてつつ、哲学的でもありながらとても読みやすく、ミステリータッチで先が読みたくなる一冊。

「海へ、山へ、森へ、町へ」小川糸
美味しい料理に出会う旅のエッセイ本。2010年11月発行の「ようこそ、ちきゅう食堂へ」に追加して収録し、2013年に発行。長瀞の天然水で作るかき氷や栃木の国産自然派ワイナリー、能登の麹から仕込む昔ながらの製法の醤油。他にも沖縄や奈良と全国的。しかも日本だけでなく海外も。それぞれが一つのエッセイというより、物語を読んでいるようで情景が浮かび、一緒に旅しているかのようです。


その他の本の紹介です♪
おおかみこどもの雨と雪細田守
東京の大学に通う花は、人間の姿で暮らす「おおかみおとこ」に恋をします。やがて二人の子供ができますが、おおかみおとこは不慮の事故で亡くなっ… お母さんの子育て奮闘記です。花は子供の感情に寄り添い、子供の決断を受け入れる。おおかみこどもに注目しがちだけど、子育て奮闘記として見てはいかが?

言の葉の庭 小説版」新海誠
アニメーション監督・新開誠が自身の映画を小説化、映画(2013年 5/13公開  本編46分)では描かれなかった人物やエピソードも込めて、雨に彩られた一夏を描く青春小説。雨の日の朝、靴職人を目指す高校生の孝雄は、年上の女性・雪野と庭園で出会うとこから始まります。映画を観てから小説を読まれた方がおススメ!

「うたうおばけ」くどうれいん
エッセイで、短編が39個収録。帯に、『人生はドラマではないが、シーンは急にくる』とあるように、日常の中で起きた印象的なエピソードをつづったもの。ありふれた状況の中で、かけがえのない物語が起きていることを著者が丁寧な視点で切りとっています。とぼけていたり、胸があったかくなったり。つい、自分の日常にも思いをはせてしまいます。

銀河鉄道の父」門井慶喜
第158回直木賞受賞作品。明治生まれの父政次郎と、その子宮沢賢治の物語です。家長としての威厳を保ちながらも慈愛たっぷりに子を愛す父の下で、対立を越えて詩や童話が生まれたそう。宮沢賢治をあまり読んだことない人でも、宮沢賢治について興味が持てる一冊。

「ヤノマミ」国分拓
ヤノマミとはブラジル北部に住む先住民のこと。森から生まれて、森を食べ、森に食べられる。厳しさと優しさのある生活に生きる人々。文明との接触による感染症により大部分が滅んでしまいました。現在は保護区の中で生活をしています。この本は文明から離れた人々の生活を150日でまとめたルポルタージュです。


テーマ「あめ」にまつわる本はいかがでしたか?読みたくなる本があったら嬉しいです。